不眠

不眠の定義

入眠困難 途中覚醒 眠っても疲れがとれない。などが挙げられるが、どれも患者の訴えであり客観的抽象的な定義はない。

不眠は多い。

多くの患者のみならず、病院にかかっていない人も不眠に悩まされている。

一般成人の3050%とも言われている。

たとえば、高血圧 でかかっている52才の男性が「先生眠りづらいので睡眠薬ください」といったらどうするでしょうか?

プライマリーケア医の半数以上が不眠に対しての病歴をとっていない。

不眠は日常診療において必ず遭遇する.たいていの場合問題になるのは薬の使い方であり使わな方ではない.しかも,さらなる診断.もしくはスクリーニングなどはほとんど行っていないというのが現状であり,それらの必要性の認識すらない.

不眠はただの面倒くさい患者の訴えになりかねない問題である。

それでは我々はなにを学ばないといけないのか?

それは大きく分けて、

1)睡眠障害の背景にあるかもしれない内科疾患

2)睡眠衛生や薬物の中止で修正がきくもの

3)精神疾患

4)それ以外(原発性不眠など)

そして睡眠導入剤の適応と使いわけについても知っておくべき

● ひとつは単なる睡眠剤の処方のみでは直らないもの.

(多様な力テゴリーの疾患や,さらなる精神科領域の投薬精神療法が必要なものが含まれる)

● またひとつは,睡眠剤そのほかの医療が必要ないもの,

●睡眠剤だけの治療でよいもの

をわけて考えてみる必要があるのではなかろうか.

●また,内科外来診療に際しての義務としてスクリーニングの必要性についえも考える必要がある.

不眠を訴えられたときの思考過程

1)睡眠日記を書いてもらう。 アンケートを書いてもらう

2)訴えを明確にする

3)日中への影響

4)誘因となる要素

5)睡眠衛生

6)鑑別 一般的な睡眠障害 内科的疾患 精神的疾患

7)検査(内科検査 睡眠検査)

1)

睡眠日記は正確な記録を得るのに役立つ。

2)訴えを明確にする。

期間 経過

睡眠の開始 維持早朝覚醒 

毎日の就寝時間起床時間 睡眠時間

適応睡眠障害

睡眠相前進症候群

睡眠相後退症候群

周期性四肢運動障害

原発性不眠

精神生理学的不眠

)日中への影響

SAS ナルコレプシー 怒りっぽい 昼寝 

)誘因となった要素を評価

勤務時間が不規則 長距離の旅行 ドライバー ストレッサー  

http://www.nhlbi.nih.gov/health/di/Diseases/inso/inso_whoisarisk.hmlon9november2007

薬物使用 医学的問題

(高齢者で不眠が多い原因)

http://www.ncbi.nlm.nh.gov/pumed?term=7481413

http://www.ncbi.nlm.nh.gov/pumed?term=9475443

社会的経済状態との関連

カフェイン アルコールの摂取状況

投薬

勤務時間内容

ストレッサー

)睡眠衛生を評価

テレビラジオ  睡眠時間 睡眠前後の行動 食事 飲酒 カフェイン 運動セックス 仕事 

睡眠環境 周囲の騒音 同居(ベッドパートナー)

●一般的な睡眠障害は?

SAS RLS  PLMD 

●内科的疾患は?

CHF CAD  COPD  Asthma PUD  GED 腎疾患 神経疾患 肝臓疾患

●精神疾患の証拠は?

 概日リズム障害?

睡眠相前進障害か睡眠相後退障害

●2次的原因?

特発性不眠 精神生理学的不眠

付録)American  sleep  Disorders  association  睡眠障害に関する国際分類

睡眠障害アンケート

不眠のなかでも下のどれに一番近いですか?

1)なかなか寝付けない

2)夜中に起きてしまう

3)朝すっきりしない

4)その他

不眠はいつ頃はじまりましたか?

不眠が始まるきっかけとして思い当たることがありますか?

あれば記入してください

寝付けないときどうしていますか?

就寝前に以下のどれか1つでも行うことがありますか?

はい  いいえ

運動 飲食 セックス 読書 テレビ鑑賞 仕事

寝室は静かで暗いですか??

自宅以外の方がよくねむれますか?

現在何らかの薬を飲んでいますか?すべて記入してください。

その中で寝るために試しているくすりはありますか?

それ以外のことを試したことはありますか?

ちかくで寝ている人はふだんいますか?

いびきがひどいといわれたことはありますか?

夜中の起きてしまうことがあればその原因をかいてください。

(呼吸がくるし 不安 排尿 咳 足が動いてしまう)

いままでに安定剤を飲んだことがありますか?

就寝時間 起床時間 勤務時間 昼寝についておしえてください。

他におもいあたること、困っていることがあればおしえてください。

治療

sleep hygeneを整えることは不眠治療の大原則である。

詳細な病歴から不眠の原因を探り、それぞれの患者に必要なアドバイスをする

刺激コントロール法

 眠気を催した場合のみに睡眠のことを考えるようにする。

睡眠環境に条件つけられた覚醒が問題となっている場合に効果的。

寝床に入って覚醒した状態で20分以上過ごさず、軽度の活動をおこなってもらうように指導する。

夜中の覚醒でも同じようにしてもらう。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=10098820

行動療法

薬物療法を開始する前に試みる。

睡眠制限( Sleep restriction)

身体的 精神科的な疾患と関連しない不眠がありSleep hygeneの改善のみで効果が不十分であったときに導入する。

〈1〉寝床で横になる時間を、「実際に眠れている時間+30分」程度にまで減らす。

たとえば、午後11時に寝床に入り、8時間後の午前7時に起床しているAさん。ここ2週間の睡眠時間を記録して平均すると、寝付きが悪く夜中に目が覚めるなど、実際には6時間程度しか眠れていなかった=(A)。

その場合、朝起きる時間は午前7時のままで、「6時間+30分」前の午前0時半に寝床に入るよう、習慣を変える=(B)。就寝時間は午後11時のままで、起床を午前5時半に早めてもいい。ただし起床時間は、一度決めたらどんなに眠くても変えてはいけない。

 〈2〉1週間続けてみて、寝床にいる時間のうち、実際に眠れた時間の割合(睡眠効率)が85%以上あれば、次の週は睡眠時間を15分増やす=(C)。

Aさんは、寝床にいる時間を6時間半に縮めたところ、実際に眠れた時間は以前と同じ6時間。だが、睡眠効率は92%と高く、睡眠の質も上がっている。そこで次は、就寝時間を15分早めて午前0時15分にする。

これを繰り返し、徐々に睡眠時間を延ばしていく。もし、睡眠効率が80~84%なら、寝床にいる時間を変えずにもう1週間続け、80%未満だったら、さらに15分減らす。

岡島さんは、この方法に、同じく認知行動療法の一つである「刺激制御療法」(別表)を組み合わせ、患者を指導している。どちらも睡眠薬ほど即効性はないが、薬よりも再発しにくい長所があるという。

「不眠の人は、『布団の中にいるのに眠れない』ことを体で覚えてしまう。行動を変えることで、体に蓄積される睡眠の欲求を高め、『布団に入ると眠る』というリズムに切り替えるのです」と岡島さん。試してみる価値はありそうだ。

認知行動療法 CBTCongnitive behavior therapy

JAMA2001

Cognitive behavioral therapy for treatment of chronic primary insomnia: a randomized controlled trial.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=11308399

JAMA2001

Does cognitive-behavioral insomnia therapy alter dysfunctional beliefs about sleep?

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=11480656

2004 Arch Intern Med

Cognitive behavior therapy and pharmacotherapy for insomnia: a randomized controlled trial

and direct comparison.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=15451764

さとりMTCBT(綾瀬市)

http://blogs.yahoo.co.jp/b_maria812000

バイオフィードバックと段階的筋弛緩法

薬物療法

ベンゾジアゼピン

30日以上で効果は減弱する。