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低血糖
Harrison p339
意識障害と麻痺と痙攣はすべて血糖を測定する!
1疑うきっかけ
2危険因子
3原因とその調査法
4対応


 ◎症状
●錯乱 意識障害 麻痺 痙攣
●低血糖の診断は
whipple の三徴を思い出す。
1)症状 2)55 mg/L以下3)50%グルコース2A IVで速やかに症状軽快

 ◎原因と診断
空腹時
● ホルモン→インスリン 薬、産生腫瘍
コルチゾール GH グルカゴン アドレナリン
● 糖が作れない消費→ 肝不全 腎不全 心不全 敗血症 飢餓 癌
●薬剤→ 糖尿病薬 サルファ剤 シベノール
●食事性 胃切後 特発性

 ◎具体的に
●ヒストリー
1薬 2既往 3タイミング
●labo/画像
1ホルモン2甲状腺 3ガン探し
薬剤の検討 アルコール食事 運動との タイミング
結核の既往やガンの既往手術歴
→副腎への転移
●labo
ACTH負荷試験 インスリンと同時に血糖Cペプチドプロインスリンを測定 はまず行う。食後低血糖なら甲状腺も測定
●画像は癌が疑えるときに施行する

 ◎対応

●糖を入れるときはB1も忘れずに、
●静注できないときはグルカゴン筋注も皮下注射もあり。


※グルコース濃度が55mg/dl である時、血漿インスリン濃度が3μU/mlおよびCペプチド濃度が0.6ng/ml以上(血漿プロインスリン濃度が5.0pmol/L)であればインスリンの過剰分泌を示す
※実際に経験する低血糖は糖尿病の薬によるものがほとんど、確実な病歴があれはまずはそれと判断してよい。
※それよりも意識障害痙攣麻痺が起こった患者が低血糖であることをできるだけ早く見つけることが重要。
※もう一つは低血糖を治療するときにB1を入れることをルーチン化することで大きな失敗を防ぐことができる。
※臨床上よく遭遇する問題は低血糖状態が長く続いたために補正後に意識が戻らないということ。
メカニズムに関してはハリソンを参照
※脳は糖のみで働き、数分しかもたない
※肝臓の糖新生とインスリンでコントロール
※低血糖が起こりにくい経口剤は?
メトフォルミン GLP-1 DPP-4 αグルコシダーゼ
(SU剤やインスリンと併用するとそれはわからない)HarrisonP339
※低血糖症状はなんの作用?
第3の防御であるノルアドレナリンもしくはアドレナリンによると言われている。ノルアドは交感神経後ニューロンからアドレナリンは副腎髄質から放出される。
※糖尿病の患者が低血糖を起こしやすい原因は投薬の不適合だけではない。
もともと出ていないインスリンではるが糖の減少に対しての調節力も失われている。インスリンの濃度でグルカゴンの調節も行われている。また、交感神経の反応も低下し、症状が出にくい。(糖尿病自体による自律神経障害が原因
※グルカゴンはインスリンの分泌を刺激するので2型糖尿病の患者には有効でない、しかも一時的な効果しかないことを忘れてはいけない。
※インスリノーマの低血糖の治療にdiazoxide octreotide がある。